写真はイメージです(Pixabay)

 日本から見て地球の反対側にある南米で、今、新しいデジタル企業が数多く登場してきている。一体どんな企業なのか。元日銀局長の山岡浩巳氏が解説する。連載「ポストコロナのIT・未来予想図」の第53回。

 金融システムの安定を図るための国際機関として2009年に設立された金融安定理事会(FSB)は、スイスを本拠としながら、アジア、アフリカ、南米など各地でさまざまな会合を開催しています。これらの会合では、現地の企業を招いて議論をする場も設けています。

 私が参加した会合の中でとりわけ興味深かったのは、南米における新しいデジタル企業の増加でした。アジアについてはいろいろと情報が入りやすいですし、アフリカの情報は英語化されていることが多いのですが、スペイン語の情報が殆どである南米の事情は日本ではなかなか把握しにくく、実際に行ってわかることもたくさんありました。

デジタル化とラテンアメリカ

 今月(2021年9月)ソフトバンクグループがラテンアメリカを投資先とするファンドを新設すると発表しています。近年、デジタル経済の発展に関し、ラテンアメリカが話題に上ることが増えています。