(花園 祐:上海在住ジャーナリスト)

 今月(2021年9月)に入ってから、中国の不動産大手「中国恒大集団」の破綻危機に関する日本メディアの報道が増えています。それに伴い、「いよいよ中国バブルは崩壊」「中国経済も、もはやこれまで」といったお馴染みの中国崩壊論に接する機会が増えてきました。

 しかしこの手の中国崩壊論はこれまで何度も唱えられながら、実現した試しがありません。そうした背景もあってか、ネット上の書き込みでは「これで何度目?」「結局いつも崩壊しないよね」などといった反応も見られます。

 では、なぜ外れ続けているのに日本で中国崩壊論が繰り返されるのか。今回はある意味、中国関連報道におけるビッグイシューであるこの問題について、その背景と予想が外れる理由を考察してみたいと思います。