空母に着艦する米海軍の早期警戒機「E-2D」(8月29日撮影、米海軍のサイトより)

中国の無人攻撃機、西太平洋に進出

 エリザベス女王陛下のお見送りを受けた英国海軍空母クイーン・エリザベスを中心とする空母打撃群が、英国を出港し、ベンガル湾~マラッカ海峡~南シナ海~バシー海峡~グアム~日本の南西諸島沖~日本海まで航行し、横須賀に入港の予定である。

 この間、協力関係のある国々と共同訓練を実施した。

 英空母が中心となり、インド、シンガポール、マレーシア、タイ、米国、韓国、日本などの海軍軍艦が加わった。このことにより、英空母は、中国包囲網の一翼を担っているという印象を与えた。

 空母群と日米軍が共同訓練を行った時には、中国空軍の無人機(無人攻撃機、無人偵察機)、情報収集機、対潜哨戒機が、東シナ海から西太平洋に進出してきた。

 情報収集機や対潜哨戒機が宮古海峡を越えて接近してくるのはよくあることだ。しかし、無人機偵察機については東シナ海での動きは珍しく、2018年4月以来だ。

 そのうち、無人偵察機「BZK-005」が宮古海峡を越えて来たのは、初めてのことだ。

 さらに、無人攻撃機「TB-001」は、2021年8月24日に東シナ海に初めて出現し、その2日後には、宮古海峡を越えて、西太平洋まで出てきた。

 英空母打撃群とこれらの中国軍機との詳細な位置関係は不明だが、中国軍機は、英空母群に対応したものだと言える。

 英空母群とこれらの情報収集機・無人機の行動について、中国軍機の飛行航跡と無人機の特性から、

①何を行っていたのか

②これらの狙いは何だったのか

③今後何を企んでいるのか、について考察する。