求められる「アウトサイド・イン」の発想

 企業がSDGsを推進するにあたり、自社のビジョンに立ち返ることの重要性については前回のコラムで述べた。SDGsをはじめ、サステナビリティが重要視される時代においては、自社のビジョンに加えて、自社のバリューチェーンを取り巻く外部環境の長期的変化とそれに伴い想定される社会・顧客の課題を正しく捉え、事業を展開していくことが求められる。

 そのような社会・顧客の課題に基づき解決策を事業活動に落とし込む発想は「アウトサイド・イン」と呼ばれ、従来のプロダクト・アウト(≒インサイド・アウト)と対比し、サステナビリティ推進のキーワードとして語られることが多い。

 しかし、競争力につながる継続的な活動にするためには、自社のビジョンと社会・顧客の課題の重なる領域を対象とし、経済的な価値との両立を実現する必要がある。