激しい批判の矢面に立たされたジェイク・サリバン国家安全保障担当補佐官(8月17日、写真:ロイター/アフロ)

飛行機から振り落とされる衝撃映像

 曲りなりにも内政外交で一応、成果を上げてきたジョー・バイデン大統領がタリバンに足を引っ張られてアフガニスタンからの撤収作戦に失敗した。

 8月16日の記者会見では「醜い弁明に終始した」(保守系メディアの外交記者)。

 バイデン氏は、タリバンが思いもよらぬスピードで首都カブールを武力支配したのを受けて、情けないアフガン政府とアフガン政府軍をなじり、こうなった責任は米歴代政権にあると開き直った。

 記者会見で質問しようとしていた記者団を遮って退席した。

 翌17日にはバイデン氏の「懐刀」、ジェイク・サリバン国家安全保障担当補佐官(44)がホワイトハウスで記者会見に応じ、1時間を超える記者団からの追及に応じた。

 バイデン氏は18日に放映されたABCテレビのジョージ・ステファノポリス記者とのインタビューに応じ、撤収作戦についてこう補足説明した。

「いずれの試みも米国民や世論を納得させないどころか、かえって逆なでしてしまった」(前述の外交記者)

 折から米メディアはカブール空港を離陸する機体にしがみつき振り落とされるアフガン市民の映像を何度も何度も流した。

 リベラル系のMSNBCの人気キャスター、レイチェル・メドウ氏は、かって自分の通訳だったアフガン人男性と一家の出国を助けようと、すでに米国に帰還している米陸軍少佐がスマートフォンを駆使してやり取りする模様を紹介、元通訳が「(乗った)飛行機が離陸した」と報告するのを涙ながらに報じて、高視聴率を上げていた。

 まさにメディアが世論を動かし、外交を左右していた。