(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年8月18日付)

アフガニスタンの首都カブールにある大統領府に入ったタリバン(8月15日、写真:AP/アフロ)

 これで、ぐるりと一周して元の位置に戻ったことになる。

 国際テロ組織アルカイダを掃討する作戦として始まったものが、20年経った今、アフガニスタンでアルカイダに手を貸した勢力タリバンの復権で終わりを迎えた。

 これほど多くの命とこれほど多くのお金を費やしながら、これほど些細な成果しか得られなかったことは、めったにない。

 米国の政治がこの大失態から教訓を学んでくれたらいいと思う。

 二大政党の双方に、その責任がある。だが、物語はまだまだ終わらない。米国はこの「永遠の戦争」から手を引いたかもしれないが、戦争は続く。

 タリバン復権が意味することを何とか理解しようとするなか、事後分析している時間はほとんどない。

白か黒の二元的な世界観

 米国の既定の傾向は、世界を白黒で見ることだ。20年前の米国本土に対する「9.11」のテロ攻撃への対応が、まさにそうだった。

 世界は米国の味方か、さもなくば敵のどちらかだった。

 それと結びつくのは、友人は米国のイメージに沿って自己を作り替えようとし、敵は常軌を逸しているという想定だ。

 このような二元的な思考は、例えばファシズムや共産主義など、深刻な脅威と向き合う時には極めて大きな強みになる。

 だが、大半の問題は、それよりグレーだ。マニ教のような二元的な世界観はめったに優れた外交政策を生み出さない。

 アフガニスタンの近年の歴史は、この本能のせいで米国が道を誤ったりすることを示す実例だった。