タリバンが政権を掌握したアフガニスタンから脱出しようとカブール国際空港に集まった人々(2021年8月16日、写真:Abaca/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 アフガニスタンの政権崩壊はベトナム戦争の最終場面を想起させた。

 米国の首都ワシントンで知ったアフガニスタンの悲劇は、私自身が体験した南ベトナムの悲劇に似た部分が多い。その背後には、アフガニスタン、南ベトナムと同様に自国の防衛を米国に委ねる日本への教訓も浮かんでくる。

バイデン政権を批判する米メディア

 8月16日のワシントンは、アフガニスタン崩壊のニュースの激震に一日中襲われた。過去20年にわたる米国歴代政権の努力が、ジョセフ・バイデン大統領の拙速な決定によって水泡に帰したとの非難が超党派で沸き起こった。