小学生の温かい声援を受けたサッカー韓国代表(写真:AP/アフロ)

(オセラビ:作家・コラムニスト)

 東京五輪が17日間の競技を終えて閉幕した。私はオリンピックスタジアム(新国立競技場)で開かれた閉会式の中継放送を視聴したが、その理由の一つに、宝塚歌劇団の登場がある。宝塚歌劇団を知る人は韓国でも多く、熱烈なファンも存在する。筆者もかなり前から魅力を感じている。最近はユーチューブにたくさんの公演がアップロードされており、かつての公演から最近の公演まで観る楽しみがある。

 宝塚歌劇団が閉会式に出演するという話は閉会式前日から韓国で知られるようになり、どのような公演になるか、さまざまな意見がインターネットで交わされた。その多くが華やかで劇的なドラマだと推測したが、予想と異なる舞台だった。宝塚歌劇団は日本の伝統衣装を着て「君が代」を歌った。優雅な色彩の着物姿は、一幅の絵のようだった。閉会式で最も印象に残ったタカラジェンヌの新しい姿だった。

 宝塚歌劇団の公演を見るたびに、なぜ韓国にはこのような歌劇団がないのだろうかと悔しく思う。創立以来100年以上に亘って伝統を受け継いできた底力がうらやましい。

五輪の閉会式に登場した宝塚歌劇団(写真:青木紘二/アフロスポーツ)

 東京五輪は、世界を襲った未曾有の新型コロナウイルス感染症の影響で1年間延期されたが、2021年7月23日に無事開幕した。前例のない無観衆での開催だったが、世界を襲ったコロナウイルスの耐性ができていたためか、無観衆五輪は当然のこととして受け入れられた。全世界の選手が集まって競うスポーツの祭典は、今後も続けるべきイベントだ。

 開会式のハイライトは五輪50種目を形象化した「ピクトグラム(pictogram)ショー」だった。ピクトグラムは、1964年の東京五輪で採用されて以降、世界に広がった。事実上の「ピクトグラム元祖」である日本らしい演出だった。最近、韓国の小学生の授業でもピクトグラムを応用した方式がよく使われている。

 東京五輪が開幕する直前から、韓国は再び反日感情で動揺し始めた。五輪の開催地が日本の東京ということも、政界や反日勢力を興奮させた。韓国は2022年3月9日に大統領選挙を控えている。「政治の季節」に開催された東京五輪の期間中、大統領候補の一挙手一投足に関心とニュースが集中していた。