グアム島アプラハーバー米海軍基地でベトナムに向け出港準備中のハミルトン級高耐久カッター。ベトナム海上警察艦隊巡視船「CSB-8021」として就役する(写真:米沿岸警備隊)

(北村 淳:軍事社会学者)

 IOCや米放送局などの海外利権集団に屈した(あるいは、与した)買弁勢力によって東京五輪が強行開催された。新型コロナ感染が再拡大する中、多くの大手メディアが手のひらを返したように五輪関連報道を大量に流し、日本国民の関心を向けさせようとしている。

 しかしその一方で、南シナ海では相変わらず中国の海洋覇権掌握攻勢が続き、弱小周辺諸国たちが微力ながらも精一杯の抵抗を企てている状況が続いている。

ベトナムの手に渡ったアメリカ沿岸警備隊の巡視船

 ベトナム・ハノイのアメリカ大使館によると、先日(正確な日時と港湾は非公表)アメリカがベトナムに供与した沿岸警備隊巡視船が無事にベトナム海上警察(いわゆる「ベトナム沿岸警備隊」)の手に渡ったということである。

 ベトナム海上警察の陣容に加わったのは、アメリカ沿岸警備隊が使用していたハミルトン級高耐久カッター(巡視船)ジョンミジェット(排水量3050トン、全長115メートル、最高速度29ノット)である。