2021年1月18日、差し戻し審で実刑判決を受けたサムスンの李在鎔副会長(写真:ZUMA Press/アフロ)

「サムスン副会長、特赦か」「仮釈放へ」

 このところ韓国メディアでは、8月15日の独立記念日(光復節)に実施されるとみられる特別赦免、特別仮釈放の対象者にサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)副会長が含まれるとの報道が相次いでいる。

 2021年7月22日の朝刊にも、関連記事が目についた。

「中央日報」は、「李在鎔、法務部が“光復節仮釈放”審査対象に」と報じた。

 一方、「朝鮮日報」は、「青瓦台、朴槿恵・李在鎔 光復節特赦検討」と報じた。

 韓国の独立記念日にあたる8月15日にはこれまで「特別赦免」「特別仮釈放」が実施されてきた。今年の最大の注目の一人が李在鎔氏なのだ。

特赦、仮釈放?有力紙の異なる報道

 7月末になって日程が迫っていることから様々な動きがあることは間違いないようだ。

 李在鎔氏は、朴槿恵(パク・クネ=1952年生)前大統領とその長年の知人に賄賂を提供したことで2017年2月に拘束された。

 同年8月の1審で懲役5年の実刑判決を受けた後、2018年2月の2審で懲役2年6か月、執行猶予4年の判決を受けて約1年ぶりに拘置所を出た。

 ところが、大法院(最高裁に相当)の命令を受けた高裁の破棄差し戻し審で2021年1月に懲役2年6カ月の実刑判決が出て再び拘置所に入った。

 刑期満了は2022年7月29日だ。

 韓国では、財閥総帥は、有罪になっても執行猶予付きの判決が出て、そのうちに大統領の特別赦免が出ることを繰り返してきた。

 2000年以降、財閥総帥だから執行猶予付きの判決というようなことはさすがになくなったが「特赦」は繰り返されてきた。