ナゴルノ・カラバフ州に近い橋。アゼルバイジャン軍の管理下にある(写真:ロイター/アフロ)

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 カスピ海に面する旧ソ連の国アゼルバイジャン。首都バクーの旧市街は城壁都市として世界遺産にも登録されている、美しい国である。私も訪問したことがあり、古代から続く歴史文化の遺跡に感銘を受けた。

 このアゼルバイジャンが、世界の軍事関係者を震撼させている。AIを搭載したドローンによって、30年来にわたる係争地として知られるナゴルノ・カラバフ州を巡るアルメニアの紛争をアゼルバイジャンが勝利に導き、同州の領土の一部を奪還することに成功したからだ。

 AIドローンは、アルメニア側の兵士や戦車の存在を見つけ出し攻撃する。これまで洞穴の中などに隠れている兵士は上空から判別できなかったが、AIドローンは、兵士の持っている電子機器などの存在から兵士の存在を発見し、攻撃するのだ。不意の攻撃を受け続けたアルメニア側は修羅場と化したであろう。

アゼルバイジャン軍によるドローン攻撃

 なぜ、アゼルバイジャンという軍事大国とも科学技術大国とも言い難い国が、AIドローンという最新兵器を使って軍事的勝利を収めることができたのか。それは、同地域の大国トルコによるAIドローンの提供があったからだ。