(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年7月9日付)

英国で開催された第16回欧州サッカー選手権でイタリアチームが優勝、歓喜するサポーター(7月11日ロンドンで、写真:ロイター/アフロ)

 我々が一つ、新型コロナウイルスのパンデミックから学んでいるべきことは、全員が運命をともにしている、ということだ。

 共通の取り組みだけがコロナを抑制できる。誰かのマスク着用が自分の保護になる。

 だが、ボリス・ジョンソン英首相は規則にうんざりしている。集団的な行動に取って代わり、今後は「個人の責任」でやっていかなければならないと首相は言う。

 ここで本当に意味するところは、疫学者が「集団免疫」と呼ぶものを一気に達成することを目指し、ウイルスを自由に蔓延させるつもりだ、ということだ。

 この国の子供が図らずも実験のコマになる。

 英国内の新規感染者数は現在、1日当たり2万5000人を上回っており、大半の欧州諸国より格段に多い。

 そんなことはお構いなしだ。動揺と逸脱、Uターンを繰り返した1年半を経て、新たな基本計画は「不可逆」だとジョンソン氏は言う。

 7月19日、社会的な交流にかけられていた事実上すべての法的制限措置が解除される。

 イングランドの新たな制度(スコットランド、ウェールズ、北アイルランドはそれぞれ独自の規則を定める)では、ナイトクラブの営業再開が認められ、ソーシャルディスタンシング(対人距離の確保)を終え、競技場や音楽イベントの会場に人数制限なしで観衆が戻ることが許される。

 マスクの着用は義務ではなくなり、今後は個々人がこうした「スーパースプレッダー」イベントに参加するリスクを推し量ることを強いられる。