中国の学校で「元寇」はどう教えられているのか?(写真はイメージです)

(花園 祐:上海在住ジャーナリスト)

 短期集中連載「覆される元寇の常識」の第3回をお届けします。前回、前々回は、中世日本における唯一の国際戦争である元寇(1274年、1281年)について、近年の研究を紹介するとともに、従来説が見直されていることを解説しました。

 最終回となる今回は、現代中国人が元寇をどのように見ているのかについて紹介したいと思います。

中国ではほとんど知られていない

 日本人にとって元寇は、承久の乱(1221年)とともに鎌倉時代における2大事件の1つです。また、台風が結果的に日本に味方したことから、後年の「神風」信仰の発端ともなりました。そうした背景もあり、日本では小学校の段階から元寇が教えられ、元寇を知らない日本人はほとんどいないと思われます。

 では、もう一方の当事者である中国側はどうなのか?