台湾・新竹市で軍事演習する台湾軍(2021年1月19日、写真:ZUMA Press/アフロ)

【注意】本記事には第2次世界大戦・ヨーロッパ戦線における凄惨な戦場の写真が掲載されています。閲覧にはご注意ください。

(北村 淳:軍事社会学者)

 岸信夫防衛大臣は米メディア(ブルームバーグ)のインタビューに答える形で、台湾の平和と安定は「日本に直結している」との認識を示した。台湾の防衛が日本の防衛と直結していることを認めたことになる。

 日本が中国を仮想敵に据えている限り、台湾の防衛と日本の防衛は切っても切り離せない関係にあるというのは極めて当然の原理である。しかしながら、日本の防衛大臣や総理大臣がこの“原理”を公に語ることは稀であるため、アメリカ軍や政府関係者たちの間で岸大臣の発言は歓迎されている。

 日本の防衛大臣が「台湾の防衛は日本の防衛」という趣旨を語ったということは、「中国に攻撃された台湾を防衛するため、アメリカが軍事的支援を実施する場合、日本も当然アメリカの同盟軍としての役割を果たすであろう」とアメリカの軍人や政治家、安全保障専門家などの多くは(単純に)理解しがちである。したがって、日本の「決意」はアメリカの国益と一致しており、大いに歓迎されるのである。

「不安定な状態」を維持したいアメリカ

 ここでいうアメリカの「国益」とは、「中国と台湾の間に不安定な状態が続くこと」を意味する。日本がアメリカの同盟国としての役割を果たすことは、「不安定な状態」の維持に寄与するというわけだ。