それでも永遠に存続する政党はない

 習近平氏にとって最も危険な脅威の源は、大衆ではなく党内にある。

 習氏がずっと努力してきたにもかかわらず、共産党は派閥争いや背信行為、思想的な倦怠感に悩まされている。権力奪取を画策したと指弾されたライバルたちは投獄された。

 今日の中国政治は過去数十年のどの時期よりも不透明だが、習氏による果てしないパージからは、隠れている敵の姿が同氏の目にはまだ映っていることがうかがえる。

 不安定さが極限に達する瞬間は、権力が承継される時に訪れるのだろう。

 習氏の後継者が誰になるのか、そもそも権力の移行がどんなルールに則って行われるのかさえ、誰にも分からない。

 また、習氏は2018年に国家主席の任期を撤廃した時、いつまでものこの権力を握っていたいというシグナルを発した。

 だが、それでは結局、いずれ訪れる権力移行を一段と不安定にするだけかもしれない。

 中国共産党の危機が、自由を愛する人々の望む賢明な支配につながるとは限らないが、この中国王朝でさえ、いずれは終わりを迎えるのだ。