(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年6月18日付)

ギャングが世界を取り仕切ろうと企てている

 リベラルな国際主義の時代が、大国同士が張り合う時代の再来に道を譲った。

 グローバルな相互依存のファクツに変わりはない。新型コロナウイルス感染症や気候変動が国境などものともしないところを見ればいい。

 だが、グローバルな力の再配分によって地政学的な風向きが変わった。

 国家の無力さは、台頭するナショナリズム(国家主義)を抑えるにはお粗末なブレーキだ。

 今のところ、世界は奇妙な中間地帯にいる。おなじみの多国籍機関への愛着は保たれているものの、大国は新たな勢力図をめぐる戦いに断固たる姿勢で臨もうとしている。

大胆になる中国と憤慨するロシアの思惑

 あまり力を持たない主要国は今後、どちらに付くか選べという圧力の高まりに直面するだろう。

 米国に付くのか、それとも中国に付くのか。

 歴史家たちはついでに、英国のような中程度の国が欧州連合(EU)を離れて自力で新しいことに挑戦するには全く適さない時期だったと記録するだろう。

 基本的に、上り調子で大胆になっている中国と、落ち目になって憤慨しているロシアは、西側の覇権の恒久化を狙っていると両国が主張する国際秩序の容認には乗り気でない。

 習近平国家主席は、中国を国際社会という舞台の中心に復帰させたがっており、ウラジーミル・プーチン大統領のロシアは、旧ソ連圏でロシアの勢力圏を取り戻したいと考えている。

 こうしたことが相まって、今後はライバルのギャングが多国間のルールに取って代わることになる。

 どっちつかずの態度を取る国が出てくるだろうし、米国の安全保障の盾に隠れ続けながら、中国との特権的な経済関係を維持しようとする国も出てくるだろう。

 すでに多くの国が、どちらにするかを決断済みだ。