コロナ下でのリスクに悩むスポンサー
今回は土壇場でのキャンセルの可能性も、大会が始まって数日後に新型コロナウイルスの感染者が急増する恐れも排除できない。
日本にはまだ、緊急事態宣言が解除されていない地方もあるし、国民の過半数は開催に反対している。
そのため、日本航空(JAL)やNTTといった国内パートナー企業は苦しい状況に陥っている。1世代に1度のチャンスという触れ込みで売られたスポンサーの座が、今では本国の市場で消費者を遠ざけるリスク要因になってしまっているのだ。
昨年の開催延期の際には、スポンサー契約を延長して計2億ドルを追加で支払っている。
報道によれば、一部の企業は夏のPR作戦が大失敗に終わることを恐れるあまり、開催を今年10月に変更してくれるならさらに資金を出すと提案しているという。
その頃にはワクチン接種を済ませた国民も増え、人々の不安も後退している可能性があるからだ。
夏季、冬季と数大会にまたがる契約を結んでいるようなトップ・スポンサーは、1大会が不発に終わっても仕方がないと受け流せる。
コカ・コーラやビザのような常連は、すでに東京大会後を見据えている。パンデミックの状況が許せば、2022年の冬季オリンピックはわずか7カ月後に始まる。
ただここでも、企業スポンサーは問題に直面している。
ホストは北京であり、中国の人権侵害を理由に大会のボイコットを求める声が強まっているからだ。