英ロンドンにオープンしたアマゾン・フレッシュ(写真:ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムは6月15日、自動精算システム導入の大型スーパーマーケットを米国でオープンすると明らかにした

小型店向け「Amazon Go」を大型店に

 これまで直営のレジなしコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」やレジなし小型スーパー「アマゾン・ゴー・グロサリー(Amazon Go Grocery)」といった小規模店舗に導入してきたシステム「ジャスト・ウォーク・アウト(Just Walk Out)」を初めて直営の大型スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」に導入する。場所は米ワシントン州のベルビュー市内。6月17日にオープンするという。

 アマゾンは声明で「この技術がスケールアップでき、様々な環境や商品に対応できることが証明できた」と述べ、技術の進歩に自信を示した。

 ジャスト・ウォーク・アウトと呼ぶ一連の技術では、店内の天井と商品棚に設置した数百基のカメラやセンサーで顧客や商品の動きを捉える。顧客が買いたい物を棚から取ると、仮想ショッピングカートにその商品が入る。一度手に取った物を棚に戻せば、カートから削除される。その後、欲しい商品をすべて自分のバッグなどに入れて店を出れば自動精算される。

 これを実現するためにコンピュータービジョンやディープラーニング・アルゴリズム、センサーフュージョンなどの技術を使っているが、これまでアマゾン・フレッシュのような大型店に導入することは困難だと考えられていた。

 米メディアのザ・バージによると、今回ワシントン州にオープンするアマゾン・フレッシュの店舗面積は、約2300平方メートル。

 これに対し、コンビニのアマゾン・ゴーは約100~200平方メートル、小型スーパーのアマゾン・ゴー・グロサリーは約1000平方メートル。つまり同社は数倍~十倍以上の店舗面積に対応できるシステムの構築に成功した。