ツイッター ロゴ(写真:ロイター/アフロ)

 米ツイッターが新機能のコンテンツ内で広告表示を始めると、ロイター米CNBCなどが6月1日に報じた。

画面全体に広告表示、ウェンディーズなどが参加

 インスタグラムやスナップチャットなどの「ストーリーズ」に対抗し、2020年11月に本格開始した「フリート」内で広告を配信する。フリートは24時間後に消える写真や画像、動画を投稿できる機能で、iOSとAndroid向けのTwitterアプリでできる。広告はスマートフォンの画面全体に表示される。当初は米国の一部利用者を対象に試験運用するという。

 CNBCによると、当初参加する企業は米ハンバーガーチェーンのウェンディーズのほか、日用消費財メーカーや小売店チェーンなどの計10社。ツイッターはこの試験を通じて利用者の反応を見る。フリート画面だけでなく、タイムライン画面など、同社サービス全域で全面広告を掲載することも検討しているという。

 ツイッターは21年2月に開いたアナリスト向け説明会で、23年の年間売上高を20年比約2倍の75億ドル(約8200億円)以上に引き上げることなどを柱とする経営計画を発表。新たな機能やサービスの導入を加速させるとしていた。

 同社の21年1~3月期における広告売上高は前年同期比32%増の8億9900万ドル(約1000億円)だった。同社が経営指標として重視する「広告を閲覧した1日当たりの利用者数(mDAU)」は1億9900万人。この人数を今後年平均最大20%以上増やし、23年10~12月までに3億1500万人にする目標を掲げている。

サブスク型プレミアム機能やアプリの有料版

 ツイッターは21年5月、有料ニュース配信サービスを手掛ける米スクロールを買収すると明らかにした。開発中のサブスクリプション(継続課金)型プレミアム機能でスクロールのサービスを提供するという。

 スクロールはネット上のニュース記事から広告やポップアップ通知などを取り除き読みやすくしている。また、サブスクの収益は提携する報道機関や出版社に分配している。報道機関などは従来の広告モデルよりも多くの金額を受け取ることができるとしている。現在の提携先は、「USAトゥデイ」や「ヴォックスメディア」「ザ・バージ」「ジ・アトランティック」など300社以上。

 ツイッターは21年1月、有料ニューズレター(メールマガジン)配信プラットフォームを手掛けるオランダ企業、レビュー(Revue)を買収した。開発中のプレミアム機能ではレビュー社が配信するニューズレターも提供する計画だ。