(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

 ここしばらくの間、新型コロナウイルスの問題ばかりを取り上げてきたので、少し違う問題について書きたい。今年(2021年)は衆院解散か、任期満了かは分からないが、必ず衆院選挙が行われる。

 菅義偉政権の支持率は、後手続きのコロナ対策、ほとんど説明責任を果たさない菅首相の対応もあって大きく低下している。緊急事態宣言再延長の際、「総理の責任は」と記者に問われて、「いずれにしろ専門家の意見を踏まえて・・・」と答えたのには、失笑するしかなかった。

 こんな頼りない政権だからといって、野党が今度の選挙で本当に政権交代を果たす力を持っているのか。

 NHKが5月に行った世論調査では、自民党33.7%、立憲民主党5.8%、公明党2.9%、日本維新の会1.6%、共産党3.1%、国民民主党0.6%、社民党0.2%、れいわ新選組0.3%、NHK受信料を支払わない方法を教える党0.2%、「特に支持している政党はない」が43.8%となっている。世論調査を見る限り、野党にとっては厳しい選挙にならざるを得ない。野党はいったいどういう手立てで衆院選に臨もうとしているのか。野党共闘はできるのか。