フェイスブック、メッセンジャーのアプリ画面(写真:AP/アフロ)

 米フェイスブックが有料オンラインイベントのサービスで、独立スポーツリーグや高校スポーツチームの試合配信を検討していると、米CNBCが5月19日に報じた

有料オンラインイベント開催機能で小規模団体を支援

 小規模なスポーツ団体がライブ配信を主催できるようにするというもの。オンラインのチケット(入場料)制を導入し、収益化を支援する考えだ。

 同社は2020年8月に有料オンラインイベント開催機能を導入した。北米や南米、欧州、アフリカ、中東、アジアなど44カ国・地域で提供している。ただ現時点で日本は対象外だ。イベントの種類は料理教室やゲーム・トーナメント、発表会などさまざまで、フェイスブックの承認を得ると開催できるようになる。開催中は同社が内容を監視し、性的表現など不適切な内容が含まれていないかをチェックする。

 CNBCによると、この機能はすでにプロスポーツの2部、3部リーグも利用している。21年3月に米フロリダ州マイアミで開催したプロトライアスロン大会のチケット代は2.99ドル(約330円)だった。視聴者数は1万7000人で、会場に訪れた観客数よりも多かった。7割が米国外から視聴したといい、オンラインのメリットが生かされたようだ。

 フェイスブックなどのSNS(交流サイト)大手は、プラットフォーム上で小規模な団体や個人が収益化できる仕組みを作り、ユーザー層を広げようとしている。課金に対して手数料を取るモデルも導入し、広告に依存しない機能やサービスを加速させる考えだ。

クリエーターに収益化の手段を提供

 これに先立つ21年4月、フェイスブックは音声で交流できるサービス「ライブオーディオルーム(Live Audio Rooms)」を開発中だと明らかにした。今夏にもフェイスブックのアプリや対話アプリ「メッセンジャー」内ですべてのユーザーが利用できるようになるとしている。

 ライブオーディオルームはまず、共通の趣味や興味を持つ人同士で交流する「グループ」内に試験導入する。主催者が参加者に課金できる仕組みも用意する計画。サブスクリプション(継続課金)などを通じてクリエーターに収益化の手段を提供するという。

 同社は「サウンドバイツ(Soundbites)」と呼ぶ短尺の音声コンテンツをニュースフィード内で提供する。「オーディオクリエーター基金(Audio Creator Fund)」を通じてクリエーターを資金面で支援する。