ワクチン接種は韓国でも最も関心の高い話題だ

 韓国でも周辺で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたという人に会う機会が出始めた。

 昨年末以降、「ワクチン確保が遅れた」との批判を浴びながらも何とかギリギリの調達を続け、5月27日から65歳以上を対象とした接種が始まる。

「昨日予約をした」「今週木曜日(5月13日)に予約をする」

 韓国でも筆者の知人の間でこんな会話がここ数日の間に急速に増えてきた。

「PCR検査体制の整備と、カラオケや飲食店に対する強制休業措置などで新型コロナの流行を抑え込んできたが、ワクチン確保では後れを取った」(韓国紙デスク)という声が強かった韓国だが、5月に入ってようやくワクチン接種に向けて本格的に動き始めた。

6月末までに1300万回接種

「6月末までに1832万回分のワクチンを確保した。接種計画には変更がないので安心して予約をしてほしい」

 2021年5月3日、権徳喆(クウォン・トクチョル=1961年生)保健福祉部長官は記者会見でこう呼びかけた。

「ワクチン」は韓国政府を悩ませてきた問題だ。

 新型コロナ流行に世界各国の中でもうまく対応したとの評価を得ている韓国政府だが、ワクチン確保が遅れたことは否めない。

 特に、ワクチン接種スピードで世界の最下位圏にいる日本の菅義偉首相が4月に訪米し、米ファイザーのCEO(最高経営責任者)と直談判してワクチンを確保したとの報道が伝わると、かねて政府に批判的だった保守メディアは一斉に韓国政府の遅い対応への批判を強めた。

 韓国政府もワクチン調達には苦労したようだ。