(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年4月28日付)

スタンフォード大学(写真)のある米ベイエリアは企業価値の高い企業と大学、ベンチャーキャピタルが集中する地域だ

 中国のエリート層は、米国は後戻りできない衰退の道を歩んでいると確信している。

 米ワシントンの定評あるシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)に籍を置くジュード・ブランシェット氏はそのように報告している。

 米国でのここ数年の出来事、特に政治の動きがこの見方を裏付けている。

 安定した自由民主主義国であれば、ドナルド・トランプという必要な資質や能力をすべて欠いた人物が国の指導者に選ばれることはない。

 だがそれでも、米国が衰退過程にあるとの見立ては誇張だ。米国は特に経済面で、多大な資産を持っているからだ。

 米国はこれまで1世紀半にわたり、世界で最も革新性に富んだ経済国だった。そしてそのことが、世界レベルの国力と影響力の基盤になっている。

 では、その革新性ある大国は今日どう見えるのか。答えは「中国から競争を仕掛けられているにもかかわらず、結構よくやっている」となるだろう。

企業価値では米国と同盟国が圧倒的優位

 株式市場は完璧ではない。しかし、投資家がそこで企業につけている価値は、少なくとも、各社の見通しを比較的公明正大に評価した結果である。

 4月23日時点では、世界で最も時価総額の大きい企業10社のうち7社、そして上位20社のうち14社が本社を米国に置いていた。

 もしサウジアラビアの原油がなかったら、時価総額の最上位5社は米国の巨大ハイテク企業で占められていただろう。

 アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、フェイスブックの5社だ。

 中国にも時価総額の大きなハイテク企業が2社ある(第7位の騰訊控股=テンセント=と第9位のアリババ集団)。

 だが、最上位20社に入っている中国企業はこの2つだけだ。