ニューヨークのルーズベルト島とマンハッタンを結ぶロープウェイは通勤の足として活用されている

 4月22日のことでした。「日本初の都市型常設ロープウェイ、横浜桜木町で開業」という報道を目にしたのです。

 常設の都市型ロープウェイといえば、知る人は誰でも知る「大阪新世界で初代通天閣とタワーを結んだ「ルナパーク」(1912=明治45年)が最初です。

 大正時代、まる11年間操業されて大阪の一大名物になっていたので、明らかにトバシた告知です。

 大阪だけではありません。

 東京でも戦後すぐ、焼け跡の渋谷駅で山手線を跨いだ「ひばり号」(1951-53)が東急のアトラクションとして常設されていました。

 調べていくと、どうやら横浜市が発表した「日本初の都市型循環式ロープウェイ ヨコハマ・エア・キャビン 運航開始」(https://www.welcome.city.yokohama.jp/topics/tp_detail.php?tpid=T03547)がネタ元らしい。

「循環式」かどうかは技術に詳しくないので何とも言えませんが、かなり無理のある「日本初」は間違いありません。

 さらによく見ると「片道1000円」という価格設定。

 この自称日本初「横浜ロープウェイ」もしポストコロナに繋がる「夢」を対岸まで掛けることができれば、成功するかもしれません。

 そうでないと、この値段設定も含め、採算をとって長続きさせるのは厳しいでしょう。

 というのも、自称日本初都市型うんぬんはさておき、今まで日本で成功してきた先輩ロープウェイたちは、常に例外なく「新世代」に「未来への夢」を架橋して永続してきた110年を超える歴史があるからです。