小泉進次郎環境相。TBSのインタビューで温室効果ガスの削減目標「46%減」の根拠を聞かれ、「くっきりした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです。46という数字が」と発言し、批判を浴びている。写真は2019年12月撮影(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

 4月22日午後、菅義偉首相は政府の地球温暖化対策推進本部の会合で、2030年までの温室効果ガスの削減目標を2013年度比で46%減にすると表明した。この削減目標は、現状の26%減から削減率を大幅に積み増ししたものだ。

 その日の夜には、菅首相は、オンラインで開く米国・バイデン大統領主催の気候変動に関する首脳会議(サミット)に出席してこの計画を説明した。首相は「50年の目標と整合的で、野心的な目標として30年度に46%削減を目指す。さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける」と各国首脳に向けて述べた。

日本も米国も「脱炭素」目標を大幅積み増し

 米国バイデン米政権はこのサミットで、2030年に温室効果ガスの実質排出量を2005年に比べて50~52%減らす目標を発表した。オバマ政権は2025年までに2005年比26~28%削減を目指していた。それと比べても大幅な上積みとなるが、2019年までの10年で実際に米国が削減できた年間排出量はわずか4%に過ぎない。

 バイデン政権がなぜこんなにも高い目標を掲げたのかと言えば、それは中国やインド、ブラジルなどの排出量上位国に大きな削減目標を定めるように促したいからだ。もちろん各国首脳はその意図を感じ取っており、バイデン政権の思惑通りに事態が進むかどうかはまだ分からない。