(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年4月21日付)

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは貧しい国をさらに貧しくしてしまった

 国際通貨基金(IMF)と世界銀行が先日開いた会合の大きなニュースは、つい6カ月前の予想をも大幅に上回るペースで世界経済の回復が進んでいることだった。

 しかし、世界経済全体の回復は、その世界に暮らす人々の身に起こっていることを覆い隠している。

 恵まれない立場にある人々はその国のなかで、そして恵まれない国々は世界のなかで、それぞれ最も遅い回復を経験することになりそうだ。

 しかも、この「分裂せる家」は立ちゆかなくなるかもしれない。足元で起こっていること、特にワクチン接種の世界全体への展開が遅いことは、あらゆる人々の見通しを悪化させるからだ。

 IMFによる新たな予測で衝撃的だったのは、世界全体の1人当たり国内総生産(GDP)の2019~22年における累積成長率の最新予想が、パンデミック前に当たる2020年1月時点の予想値を3ポイントしか下回っていないことだ。

 2019~20年の成長率は2020年1月時点の予想値を6.5ポイント下回ったし、2019~21年の成長率も20年1月時点の予想値を4ポイント下回ると見られているため、3ポイントしか下回らないというのはかなり良い値だ。

 つまり世界経済は予想を上回る力強い回復を遂げているのだ。

先進国と新興国・途上国に大きな開き

 しかし、それ以上に衝撃的だったのは、回復ペースのバラツキだ。

 1人当たりGDPの累積成長率の2019~22年における最新予想の中身を見てみると、先進国の予想値は2020年1月時点の予想を1ポイントしか下回っていない。

 ところが新興国は4.3ポイント(中国を除けば5.8ポイント)下回り、低所得の発展途上国は6.5ポイントも下回っている。

 持てる者たちは持っていたものを取り戻すが、持たざる者たちはわずかな持ち物さえ取り上げられてしまう。