トライアングルのような簡単そうにみえる楽器は実は演奏が最も難しい

 2019年の6月、兵庫県宝塚市の市立中学校で、校舎の4階から「みずから転落し」左腕骨折などの大けがを負う事件があり、それが「部活動」の「吹奏楽」で、顧問の男性教諭から厳しく叱責され、反射的に校舎4階から飛び降り自殺を図ったものと判明した報道(https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20210415/2020012915.html)がありました。

 私の専門の立場から、この「指導」がいかに有害無益であるか、他の報道が絶対に触れない観点から明快に記します。

 こんなものは音楽でも指導でも何でもない。旧日本軍式のイジメ以外の何ものでもありません。

 まず事件そのものを確認してみます。

 宝塚市のこの市立中学校吹奏楽部で、当事者となった女子生徒はパーカッション、つまり打楽器を担当しており、その中でも実は「トライアングル」を担当していました。

(この楽器については専門の人間なら誰もが知り、素人であれば音楽教諭なども知らない可能性が高いポイントがあります。それは「演奏至難」な楽器である、という恐るべき本質です)

 ところが、うまくいかない。顧問の男性教諭は「指揮者」役か何かしていたのかもしれませんが「廊下で100回たたいてこい」と指導のうえ「厳しい口調で出ていけ」と指示したという。

 可哀想に、その女子生徒は一人で練習して、何度やってもうまくいかず、このままだとまた「顧問」に怒られると思い、校舎4階から飛び降りた・・・。

 女子生徒に指示した時点で、もう指導でも何でもなくイジメか男のヒステリーによる八つ当たりでしかありません。

 女子生徒は、要するに自殺を図ったわけで、幸い命を失うことなく発見された後も「ごめんなさい」を幾度も繰り返していたという。

 とんでもない仕儀が発生していた様子が報道されています。

 ここで一つ率直に申しますが、私が音楽を始めて55年間、ギャラをもらうようになって35年ほど、「作曲指揮研究室」を主宰して23年の全人生で、私は合奏に際して悪感情をむき出しにして怒られることもなければ、自分自身が怒ったことなど一度もありません。

 明確な理由があり、それを説明する前に、例えばこのビデオを(https://www.youtube.com/watch?v=IvBpk-8ClyY)ご視聴ください。