白人警官に有罪判決が下され全米で歓喜の声が沸き上がった。写真はミネアポリスのジョージ・フロイド・スクエアで4月20日、フロイドさんを追悼する自らの曲を披露する人(写真:ロイター/アフロ)

歴史を刻む白人警官有罪評決

 4月中旬以降、米国では「中国の脅威」も「気候変動」も「新型コロナウイルス」もすっ飛んでしまった感すらする。

 米国人の今現在の最大の関心事は、ドナルド・トランプ政権下で起こったミネアポリスの白人警官暴行殺人事件をめぐる評決だった。

 10年後、20年後、菅(義偉)・(ジョー・)バイデン首脳会談後の共同声明で「台湾海峡」が明記されたことなど覚えている人はないかもしれない。

 しかし、4月20日の有罪評決は歴史の一ページにしっかりと刻み込まれているだろう。

 事件を審理してきたミネソタ州地裁の陪審団(白人6人、黒人4人)は4月20日、白人警官に殺人罪で有罪評決を下した。

 これまで黒人が白人警官に射殺された事件では、警官が起訴されることはほとんどなかった。

 一方で警官が職務中に黒人を殺した件数は年間約1000人。有罪になったことはない。それだけに20日の評決は、歴史的なものだった。

 今回も無罪となれば暴動が起こることを警戒して裁判所前には3000人の警官、州兵らが厳重警備にあたっていた。

 バイデン大統領は評決直後、「黒人の人たちに国が法に従って説明義務を果たした稀にみる大きな一歩だ」と称賛した。

 国務長官のアントニー・ブリンケン氏までが、「人種的な不正義を正す戦いに向けた第一歩だ。しかしやるべきことはまだたくさんある」というステートメントを出している。

 おそらく中国の王毅外相に米国内の人種的暴力を手厳しく批判されたことと無関係ではないだろう。