上海モーターショー2021のBYDブース(2021年4月20日、写真:AP/アフロ)

(花園 祐:上海在住ジャーナリスト)

 中国汽車工業協会(以下「中汽協」)によると、2021年第1四半期(1~3月)の中国自動車販売台数は前年同期比75.6%増の648.4万台でした。

 販売台数の内訳をみると、電気自動車(EV)をはじめとする新エネルギー車の販売台数が全体の伸び幅を大きく上回り、世界最大である中国自動車市場の成長を、名実ともにけん引しました。背景として、人気車種が好調を続けているほか、新たな購買層が開拓されつつあることが指摘されています。

 今回は、以上のような中国自動車市場の第1四半期の概況について解説していきます。

第2四半期にかけ半導体不足が深刻化か

 2021年第1四半期の前年同期比75.6%増という販売台数は、一見すると非常に大きな市場拡大に見えます。しかし、これは比較対象期間である昨年(2020年)1~3月の水準が極端に低かったことが原因です。

中国の月次自動車販売台数推移(2020年4月~2021年3月、「前年同月比」は増分を示す)
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