進む新たな世界のルール

この1~2年で日本でも市民権を得たSDGs(持続可能な開発目標)。2015年9月の国連サミットで採択されて以来、欧米では企業活動や投資においてSDGsに資するかどうかが強く意識されるようになった。

もっとも、日本でもSDGsを経営の最重要課題に掲げる経営者も増えているが、日本企業の関心事は気候変動のような環境問題に偏っており、世界のスタンダードから乖離している面が否めない。

それが典型的に現れているのが「ビジネスと人権」の分野だ。

SDGsでは貧困や飢餓、不平等の撲滅、健康と福祉の充実、働きがいと経済成長の両立など17の目標を掲げている。こういった目標は、すべての人が取り残されることなく、人間らしい生活を送ることのできる社会を目指して定められたものだ。

だが、世界中に張り巡らされたグローバルサプライチェーンを見れば、児童労働や強制労働、セクハラやパワハラなど人権にまつわる問題を抱えるケースは実際に存在している。その事実を知らず、人権リスクのある国や企業から原材料やサービスを調達している企業も少なくない。

児童労働や強制労働をサプライチェーンから排除するため、欧州連合(EU)を筆頭に、法制化などルール形成に動く国は増えている。投資家の意識も高まっており、人権リスクを抱えた企業は資金調達をはじめさまざまな面で不利を被ることも予想される。「ビジネスと人権」は、日本では気候変動ほど注目されていないが、近い将来、間違いなく規制が強化される領域である。

今回の「元気を出せニッポン!チャンネル」では、人権ポリシーの策定や人権デュー・ディリジェンス(人権リスクの実態を把握・分析して予防・是正措置を行い、状況をモニタリングして外部に情報公開していくプロセスの総称)に詳しいオウルズコンサルティンググループの羽生田慶介代表取締役CEOとともに、新たな世界のルールを議論した。

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【バックナンバー】
第1回は「なぜ中止はない、東京五輪2021に迫る」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64100

第2回は「446人救出『SOSは本物』と見極めた理由」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64550