北朝鮮の軍備近代化は著しいが庶民の貧困は一向になくならない

 日本人が、北朝鮮(以後、北)の工作員によって拉致され、北に連れていかれた。アフリカの国々では、長年の部族間の争いで、現代でも子供たちが多数誘拐される事件が起きている。

 しかし、国家が他国の市民を拉致してきたのは、世界でただ一か国、北だけだ。まさしく無法者国家だ。米国からもテロ支援国家だと指定されている。

 軍事力もあり、警察により治安が守られているこの日本国の領土で、多くの日本人が工作員に捕らえられ、袋に入れられ、船に乗せられて、北国に連れて行かれた。

 独立した平和国家で、このような被害に遭っているのは、世界中見ても日本だけだ。

 日本政府は、根気よく話し合いの機会を待ち、あらゆる機会を利用する継続的な交渉が必要であろう。

 話し合いには、米国や世界とともに強い経済制裁を行い、北が音を上げるのを待って交渉するのが最善の案だと考える。

 無法者国家には、交渉のほかに、軍事作戦により救出するというオプションもある。

 これを成功させるためには、多くの難関を打開しなければならない。私は以前、軍事作戦による救出は、100%不可能だと考えていた。

 北の大軍の中に救出のための小部隊が潜入すれば、一瞬で殲滅されるからだ。

 ところが最近、「救出作戦の脅威となる大軍が、不在になる時があると気づき、軍事作戦による救出の可能性がある」「それも、近い将来にあり得る」と考えるようになった。

 では、今後、軍事的な救出作戦をどうすべきかについて、以下の4点について考えてみる。

①平時、軍事作戦による救出が不可能な理由

②北による南侵生起の可能性

③北の南侵時に、救出作戦が可能になる理由

④作戦実行の決断は、国のトップと国民が日本人を本気で救出する(守る)強い意思があるかどうか