*写真はイメージ

(廣末登・ノンフィクション作家)

 昨今、我が国において外国人の犯罪が増えているのではないかとの憶測が、一部のマスコミで取りざたされている。たしかに、ベトナム人による家畜泥棒などは、我々日本人には、とてもセンセーショナルに映った。

 さらに、関東圏で話題になった、ネパール人の半グレ集団「東京ブラザーズ」や「ロイヤル蒲田ボーイズ」などのニュースを見るにつけ、外国人犯罪グループの台頭を恐れる市民感情は理解できなくもない。

外国人による犯罪は減っている

 結論からいうと、外国人犯罪は増えてもいないし、凶悪化もしていない。下記は、警察庁のデータから見る外国人犯罪検挙人員の推移である。

外国人による刑法犯 検挙件数・検挙人員の推移(出典:『令和元年版 犯罪白書』)
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 平成15年から17年の検挙人員が高いのは、来日外国人犯罪が多かったためである。コロナ禍で短期滞在ビザでの入国が厳しい現在、外国人犯罪はこの表の平成30年よりも下がっていると思われる。なぜなら、令和2年度の犯罪認知件数は、戦後最低の記録を更新したからである。