横浜DeNAベイスターズの本拠地・横浜スタジアム(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 とにかく白星が遠い。プロ野球の横浜DeNAベイスターズが苦戦を強いられている。3月31日の東京ヤクルトスワローズ戦も3―5で敗れ、本拠地・横浜スタジアムに集まったファンの深いため息を誘った。

 この日、相手のヤクルトは西田明央捕手が新型コロナウイルス陽性となったと発表し、それに伴って青木宣親外野手、内川聖一内野手、アルバート・スアレス投手、西浦直亨内野手、山田哲人内野手もNPB(日本プロ野球機構)が定めた「特例2021」の対象選手となり、計6選手の出場選手登録を抹消していた。これだけ主力がごっそりと抜けてしまい、大幅な戦力ダウンとなったチームにすら勝てなかったのだから、絶望感が漂うのも当然だろう。

現時点ではファンも温かい目線

 今季から新指揮官としてタクトを振るっているのは三浦大輔監督だ。横浜一筋の元大エースはリーゼントスタイルの髪型がトレードマークで「番長」のニックネームでも多くのファンに親しまれ続けている。球団側も昨季二軍監督を務めていた横浜のレジェンドに白羽の矢を立て、三浦体制での23年ぶりリーグV、日本一奪回へ大きな期待をかけているが、残念なことに結果が伴っていない。

現役時代の三浦大輔監督(ぽこ太郎, CC BY-SA 3.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で)

 開幕カードは巨人を相手に敵地・東京ドームで2敗1分。そして本拠地開幕戦となった30日、そしてこの日の31日とヤクルトに連敗を喫し、引き分けを挟んでいるとはいえ開幕4連敗は実に2009年以来12年ぶりの屈辱となった。

 ちなみに、この2009年シーズンは2年連続のリーグ最下位に沈んでおり、それ以降も2012年まで5年連続でどん尻となる「暗黒時代」の真っ只中にあった。今季は早くも開幕から2カード連続の負け越しが決まり、5試合終了時点でセ・リーグ唯一の勝ち星なしとなっているチームの現状を踏まえれば、「また、あの“横浜銀行”と呼ばれた悪夢の時代に逆戻りしてしまうのではないか」と悲観する声が飛び交うのも無理はあるまい。