地球温暖化対策に取り組む米新政権の目玉政策が原発の増設になりそうだ

ホワイトハウスに国家気候変動本部

 ジョー・バイデン米大統領が気候変動戦略を打ち出した。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2021/01/27/fact-sheet-president-biden-takes-executive-actions-to-tackle-the-climate-crisis-at-home-and-abroad-create-jobs-and-restore-scientific-integrity-across-federal-government/

 地球温暖化を阻止するというのはバイデン氏の大統領選の公約だ。民主党の党綱領も明確に打ち出している。

 と言っても、大統領令で打ち出したのは温暖化対策のパリ協定への復帰のほかは、これからやるために作った「器」を並べた立てただけ。

 ホワイトハウス直属の「国家気候変動本部」や「国家気候変動担当補佐官」の新設、温室効果ガスの排出削減につながる1億ドルの基金設立など。

 これから具体的な政策を立案し、実行に移すという目録だ。

「気候変動問題は人類の存在に対する脅威」「米国の国家安全保障を脅かす」と言葉は踊っているのだが、今すぐに効く処方箋はない。

 すべてが中長期的な青写真ばかりだ。

 温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという「カーボン・ニュートラル」(脱炭素)が実現するのは2050年だ。

対外ケリー特使、国内マッカーシー補佐官

 それでもバイデン氏が気候変動に取り組む姿勢は本気だ。それを示すのが人事だ。

 対外的にはジョン・ケリー元民主党大統領候補、元国務長官を気候変動担当大統領特使にしたこと。

 バイデン氏は大統領選当選直後からケリー氏を閣僚級の同ポストに据えることを考えていたという。

 また国内的には、ジーナ・マッカーシー元環境保護庁(Environmental Protection Agency=EPA)長官を新設の国家気候変動担当補佐官にしたことだ。