対抗者のいない米国は分断された米国

 対抗者のいない米国は、分断されている米国だ。

 とすると、米国を今後数十年間ある程度団結させる存在の最有力候補は、強い中国となる。

 世界における米国の相対的な影響力にとっては災難のような存在が、国内の統一にとっては天の賜物だったということになるかもしれない。

 衰退もそれなりに役に立つ、ということだ。

 米国の分断についてはこれ以外にも解決策が提示されているが、多少なりとも適切と言えるものすらないのが実情だ。

 ソーシャルメディアの規制を改善する、接戦の下院議員選挙区を増やすといったものは、それ自体は理にかなう。しかし、この問題の深さとその解決策のくだらなさのミスマッチは、笑ってしまうほど甚だしい。

「上院で毎週行われていた超党派の会合を復活させよ」とか「(2001年9月11日の同時多発テロの直後に導入された)米国愛国者法を復活させよ」といったアイデアは、平凡な結果しかもたらさない。

 政治家と呼ばれる人々は権力を手にするために多くのことをあきらめるため、政策が構造的・歴史的な力に抗って成し遂げられることを過大評価する傾向がある。

 米国が内輪もめの時代に突入したのは、政治制度の細かい部分に欠陥があったからではない。そうした欠陥を直したところで、泥沼から這い出せるわけではない。