新型コロナウイルス感染症のパンデミックは世界を大きく変える可能性がある

 2020年9月の発足時は64%の高支持率を記録した「菅義偉政権」、いまや支持率は30%下落して30%台前半、つまり「2人に1人の支持者」を失ったことになります。

 これではとてもではないが、選挙の顔なども務められるわけがない。

 支持率暴落の理由は「コロナ失政」とされますが、政治側からの解説は、政局ゴシップ的な話ばかり。コロナ失政の実態と乖離した話ばかりを目にします。

 そこで、失政の現実に注目してみましょう。

 例えば、新型コロナウイルス感染症による国内の死者数が1月28日、最大記録を更新しました。

 これはつまり、こういうことになる。

 東京だけで、ほとんど毎時1人はコロナで亡くなっている――。

 113人という数を24時間で割ると毎時4.7人ですから、この国ではだいたい12分に1人が、この病気で死んでいる。

 それが過不足ない現実です。

 ところが、世の中には困った人もいて「コロナ脳」とか何とか、何に目がくらむとそういうことになるのか分かりませんが、この疾病を軽視するようなデマゴギーを記す者もあるようです。

 日本には憲法の保障する表現の自由があるとはいえ、こうした有害無益なデマを流布することは法律の穴と呼ばざるを得ないように思います。

「新規感染者数が減っている」というデータは確かにプラスの情報です。しかし、すでに十分な数の患者が出ている。

 本稿を書いている1月27~28日は、暦の上では「大寒」(1月20日)と「立春」(2月3日)の真ん中にあたり、東京でも雪がちらほら、要するに1年で一番寒さが厳しい時期に当たっている。

 そうした厳しいシーズンに遅れて病気の被害の数字が出てくることなどを考え合わせると、2020~21年「冬のコロナ被害」の最大の山は、これから2月初旬にかけてやって来ると覚悟しておくのが安全と思います。