菅義偉首相1月26日、衆議院予算委員会での菅義偉首相(写真:つのだよしお/アフロ)

 菅義偉政権への風当たりが厳しい。特に一部のオールドメディアが、「菅叩き」ともいえるような報道を繰り返している。確かに、緊急事態宣言発出をめぐる年末年始の方針転換、医療態勢の逼迫、外国人の入国を全面停止するタイミングの遅れなど、失策が続いているのは事実だ。

 しかしながら、それで菅政権の基盤が揺らいでいるのかと言えば決してそうではない。低下している支持率にしても、今後、菅政権はワクチン接種を手際良く進め、持ち直す可能性が高い。なにしろライバルとなる総理総裁候補は依然不在で、党内政局を主導できる人物も限られている。菅首相は、9月の総裁選で再選され、10月までに行われる衆院選で議席を減らしつつも、しぶとく政権を維持する公算が大きい。

着実に「作業」を進めて挽回か

 1月25日、朝日新聞と産経新聞・フジテレビが、それぞれ世論調査の結果を公表した。いずれも23日、24日に実施したもので、驚くべきは内閣支持率の差である。

 朝日    内閣支持率 33%   不支持率45%
 産経・フジ 内閣支持率 52.3%  不支持率45%

 これだけではない。

 年代別の内閣支持率も相当の開きがある。朝日では「29歳以下」の支持率が41%、不支持率が31%。一方、産経・フジでは「20代」の支持率は62.7%、不支持率は31.7%だった。不支持率がほぼ同じでありながら、支持率が約20ポイントも異なっている。その原因や背景を探るのは本稿の目的ではないので深入りしないが、特定のメディアや世論調査を見て「菅政権がボロボロだ」と思うのは一面的である。

 筆者は、菅政権はかなりタフで、そう簡単には倒れないのではないかと見ている。「そんなバカな」と言う読者もおられるかもしれないが、順を追って説明しよう。