(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年1月13日付)

トランプ大統領が共和党に残した負の遺産はとてつもなく大きい

 1月6日に米議会に押し寄せた群衆が最も熱心に探し回ったのは、共和党の政治家のマイク・ペンス副大統領だった。

 地元の空港で群衆に取り囲まれ、ヤジを飛ばされたのも共和党のリンジー・グラム上院議員だった。

 どちらも過去4年間、お世辞たらたらでドナルド・トランプ大統領に仕えてきたが、昨年11月の大統領選挙でのトランプ氏の敗北を正式に認めた時、そんなことは大した意味を持たなかった。

 あるデモ参加者の言葉を借りるなら、その純潔の欠如のために、彼らは「永遠に」追い回されることになる。

 過激主義の一つの特徴は、味方を攻撃する際の嬉々とした態度だ。

 教えを疑う人と分派を唱える人は、頭から教義を信じない人よりも大きな怒りを買う。

 このため、主流派の共和党員はこれから、保守運動の乱暴な周縁派閥との熾烈で終わりのない戦いに入る。

「グランド・オールド・パーティー(GOP、共和党の通称)」だけが危険にさらされるのであれば、米国民は、党に勝手にやらせておけばいい。

 だが、2つの責任ある政党が存在しなければ、民主主義は長くは繁栄できない。米国(そして米国が一つの支えになっている世界)にとって、共和党の中道派が戦いに勝つことが存続にかかわるほど重要になる。

妄想に駆られた党内右派

 そう考えると、共和党の中道派が恐らく勝たないのは悲劇だ。

 最初の問題は、党内の腐敗の根深さと年季だ。共和党は、過去5年間だけでなく、数十年間にわたって付き合ってきたパラノイド分子との関係を解消しなければならない。

 その起点を1994年の議会中間選挙(編集部注:共和党が議席を大きく伸ばし、「共和党革命」とも呼ばれた選挙)にするにせよ、1964年のバリー・ゴールドウォーターの大統領選出馬、あるいは赤狩りで有名な1950年代のマッカーシズムまでさかのぼるにせよ、共和党は長年、党内右派を統制してこなかった。

 政府は本質的に害悪だとする共和党の描写は、今に始まったことではない。