2020年12月9日、北京のショッピングモールにある中国のアートトイブランド「POP MART」のブース前を行きかう買い物客。中国経済は世界に先駆けてコロナショックから立ち直りを見せている(写真:AP/アフロ)

 1月18日、北京。国家統計局の寧吉喆局長は年に一度行う記者会見で、大らかな口調で述べた。

「2020年、厳しく複雑な国内外の環境で、特に新型コロナウイルス感染症の打撃に見舞われたが、習近平同志を核心とする党中央の堅強な指導の下で、各地域各部門が安定した中に進歩を求める活動の総合的な基調を堅持し、ウイルスの押さえ込みと社会発展活動の調整をしながら、6つの安定した活動を着実に実行しながら、経済の運営を安定して回復させ、就業民生をしっかり保障し、経済社会発展の主要な目標任務を、想定していたよりもうまく成し遂げられた。

 初歩的な概算によれば、通年のGDPは101兆5986億元で、額面で言えば、昨年よりも2.3%増加した。四半期ごとで言えば、第1四半期が6.8%減、第2四半期が3.2%増、第3四半期が4.9%増、第4四半期が6.5%増だった。産業別では、第一次産業が7兆7754億元で3.0%増、第二次産業が38兆4255億元で2.6%増、第三次産業が55兆3977億元で2.1%増だった」

 最初の段落は、中国式の「長い接頭語」なので、あまり意味はない。大事なのは、このコロナ禍の中で、中国が昨年、2.3%成長を遂げたという事実だ。四半期ごとのデータを見ても、中国経済が完全にV字回復していることが分かる。

 他にも、食糧生産量が0.9%増の6億6949万トン、工業増加値が2.8%増、貿易額が1.9%増の32兆1557億元、実質国民平均所得が2.1%増の3万2189元などとなっている。例年に較べると、かなり見劣りする数値だが、それでも増加に「踏みとどまっている」のだ。

OECDの予想をさらに上回った中国の成長率

 各国・地域の昨年のGDPデータがまだ出ていないため、正確な比較はできない。だが、OECD(経済協力開発機構・本部パリ)が先月、G20(主要国・地域)の19カ国+EUの経済予測を出していて、それによると中国だけが唯一、プラス成長である。