(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年1月5日付)

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより自然遊歩道も閉鎖

 2021年は2020年と違うように感じると予想した人は正しかった。だが、誰もが望んでいた通りになったわけではない。

 新型コロナウイルスに対する有効なワクチンが複数存在するにもかかわらず、英国、多くの欧州諸国、米国、ブラジルはパンデミックの最悪期に向かっているように見える。

 英国では今、コロナの検査で陽性反応が出る人の数が1日5万人を超えることも珍しくない。ロンドン、イングランド東部、南東部で感染が拡大している。

 感染ペースが落ちていたその他の地域でもペースは横ばいになりつつある。大学と学校が年末年始の休暇で休みだったにもかかわらず、この状態だ。大学などの全面再開は延期された。

医療体制の崩壊

 コロナ感染で入院している重症者数はすでに、2020年4月のピーク時を上回っている。

 医学研究を支援する公益信託団体ウェルカム・トラストの代表で、英政府のパンデミック顧問を務めるジェレミー・ファラール氏は筆者に、我々はもう英国民医療制度(NHS)が崩壊の危機にある段階を通り越したと話してくれた。

 医療体制の一部はすでに崩れている。

 ワクチン投与のために動員されている医療従事者は疲弊している。多くが隔離しているか、病気になっている。

 感染度合いに従って階層分けした現在のコロナ規制システムは、感染を抑え込めていない。

 事態があまりに深刻なため、学校閉鎖を含む全国的なロックダウン(都市封鎖)はもはや避けられないように見える。