菅政権でも事実上の棚上げ状態にある財政健全化目標(写真:つのだよしお/アフロ)

 コロナ禍に対応するため、政府は2020年度中、3度にわたって巨額の経済対策を盛り込んだ補正予算を編成しました。その結果、2020年度の国・一般会計の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字額は90.4兆円へ達しました。

 基礎的財政収支とは、税収等から政策的経費を差し引きした、財政の健全性を示す指標の1つ。赤字であれば、政策的経費を税収等で賄えず国債等に依存していることを意味し、赤字が膨らむほど財政が悪化していることを示します。基礎的財政収支の赤字額は、当初予算時点の9.6兆円から約10倍に膨らみ、過去最大を記録しました。

 2020年度当初予算の編成時点では、10%への消費増税により税収が増えても、消費増税対策が膨らんだため、基礎的財政収支の赤字額が増税前の2018年度からほぼ変わらない点が問題でした。消費増税でも財政健全化が進まず、何のための増税か分からなくなっていたためです。ところが、コロナ禍により、もはやその論点が霞むくらいの財政大幅悪化となってしまいました。