リチャード・ニクソン大統領とスピロ・アグニュー副大統領(右、当時、写真:CAMERA PRESS/アフロ)

「鉄面皮のホワイトハウスの前科者」

 ジョー・バイデン次期米大統領は12月15日、運輸長官に「同性愛者」(LGBT)のピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)を指名すると発表した。

 英国のオックスフォード大学卒、数か国語を操る。立候補した予備選での公開討論会では頭の回転の速さと発信力で群を抜いていた。

 近年、米国ではLGBTの「市民権」が認められ、政官界、メディアへの進出が著しい。

 2020年11月現在、連邦議会にはLGBTであることを公にしている議員は19人いる。

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_LGBT_members_of_the_United_States_Congress

 ドナルド・トランプ大統領を最後まで支持している共和党の重鎮、リンゼー・グラム上院議員(サウスカロライナ州選出)が「隠れLGBT」だとの噂もある。

 各省庁の高級官僚の中には相当数のLGBTがいるし、LGBT特命全権大使もかなりいる。

 だがLGBTの閣僚はブティジェッジ氏が初めてだ。

 そのLBGT――。トランピズムを4年間、徹底的に批判してきたMSNBCの人気キャスター、レイチェル・マドウ氏(48)は、自他ともに認めるLGBTジャーナリストだ。

 キャスターにはLGBTが多く、CNNのアンダーソン・クーパー、ダン・レモン各氏もカミング・アウトしている。

https://queerbio.com/wiki/index.php/Top_Television_News_Anchors_Who_Identify_as_LGBTQ

 マドウ氏は、スタンフォード大学を出た後、ブティジェッジ氏と同じく、ローズ奨学生として英オックスフォード大学に留学。政治学博士号を取得している。

 月曜から金曜日まで米国内政治に関するメディア報道をくまなく入手、分析し、立て板に水のごとく解説。

 時の人を掴まえたタイムリーなインタビューは他の追従を許さない。