「悪あがきは訴追逃れ」とビートたけし氏は一刀両断

頼みの保守派3判事も「トランプ見殺し」

 ドナルド・トランプ米大統領は、大統領選挙結果確定を阻止しようと共和党の各州司法長官を使って次々と法廷闘争を仕掛けてきた。

 最後の試みとされた南部テキサス州の司法長官は、「ジョージア州など4州の選挙結果は無効だ」と最高裁に提訴した。

 新型コロナウイルス禍を受けて郵便投票を導入したのは違法だとの主張だった。

 中西部ミズーリ州など17州の共和党支部幹部はこれに同調。米下院共和党議員196人中106人が最高裁への提訴を支持する文書に署名した。

 だが最高裁は11日、判事9人全員が訴えを退けた。「玄関払い」だった。

 トランプ氏が保守派判事を3人を送り込み、「保守化」させたはずの最高裁ですら「大統領の悪あがき」を認めなかった。

 もともとトランプ氏の法廷闘争に米国民や主要メディアがそれほど注視していたとはいえない(少なくと最高裁判断が出るまでは)。

 24時間ニュース速報のCNNやフォックスニュースは別として、保守系のワシントン・タイムズなどは、トランプ氏の法廷闘争について事細かに報じていた。

 しかし、ニューヨーク・タイムズなど主要紙は一面ではなく、5面、6面などで報じてきた。

 政治の常識に精通した者から見れば、このトランプ氏の法廷闘争は「幕切れを迎えた」(保守中道のウォール・ストリート・ジャーナル)と映っていたからだ。