ロシアのハイテクベンチャーは威勢がいい。ロシアといえば写真のようなイメージをもっている人がいたら物置に入れて鍵をかけることをお勧めする

 世界の実体経済を揺さぶる新型コロナウイルス感染症のパンデミックも、米国の新規上場市場には影響を与えていないようである。

 イノベーション市場として知られているナスダックでは2020年9~10月だけで31社が上場、2020年の年初からの新規上場件数は154社に上っている。

 ロシアでも2020年初には銀行、海運、医療クリニックチェーン、消費関連などの会社が年内IPO(株式の新規公開)を予定していたが、コロナによる国内景気後退に直面して、ほとんどが予定を変更した。

 11月までにロシア取引所に新規上場したのは不動産のSamolyot group (MOEX:[SMLT])と海運のSovkomflot(MOEX:[FLOT])の2社、この他数社によるSPOにとどまった。

 著者が最近日本の投資家によく言っていることがある。

「ロシアのベンチャー投資市場は10年前の状況と比べると分かりやすくなった」ということである。

 つまり現在のロシアでは数年前に世界市場で上場して大成功を収めた企業に類似した企業が次々に登場しており、こうした企業の成長は類似企業の前例と比較することで予測しやすくなったということである。

 ではそのロシアベンチャーの実例とはどのようなものであろうか?

 世界的なIPOブームの波にうまく乗ったロシアベンチャーを5つ紹介したい。