ロシアの市場をみれば世界の動向が如実に分かる。写真はクレムリンの夜景

 新型コロナウイルスに翻弄された2020年もあと1か月で終わろうとしている。

 12月と言えば、平常時ならロシアでビジネスが一番盛り上がる時期であるが、今年は国内感染者拡大に歯止めが利かない状況にあり、筆者の知り合いの多くも在宅勤務を余儀なくされている状況である。

 頼みのロシア製ワクチン「Sputnik V」はその効果はさておくとして、大量製造が追いつかず供給がおぼつかない状況である。

 ロシア人、特にサイエンティストのメンタリティには実験室で実現できるものは工場でも簡単に再現できるはずだという思い込みがある。

 筆者の経験でも、彼らがモスクワの実験室で合成に成功した素材を日本のテストラボに持ち込むと、全く成果が得られないという場面に幾度も直面した。

1.フォーブス 「ロシアの50大外資系企業」

 さて、ロシア経済は新型コロナウイルスの感染拡大前から難題を抱えていた。

 それは2014年のクリミア紛争を発端とする欧米諸国による対ロシア経済制裁、その後の米国によるエネルギー分野を中心とする諸々の経済制裁である。

 筆者はこれらの経済制裁がロシア経済に対して有効な制裁措置にはなっていないことは現地で感じていたが、これによってロシアで活動する欧米および日本企業にはどれほどの影響があるものなのか確たる認識がなかった。

 そうしたなか、先頃、ロシア版フォーブス誌が発表した「ロシアの50大外資系企業」ランキングを眺めてみると、外資系企業の動向を即座に把握できることが分かった。

 まず、このランキングの概要であるが外資の持ち分が50%以上(金融・保険業を除く)の企業を対象とし、ロシアにおける「売上高」が大きい順にランキングしている。