(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年11月20日付)

2011年3月10日、プーチン首相(当時)と握手するバイデン副大統領(当時、写真:AP/アフロ)

 再関与か拒絶か。米大統領選挙でのジョー・バイデン前副大統領の勝利は、大西洋主義にとって救いになる。

 ヨーロッパ人と米国人は今再び、一緒に何ができるかについて話している。課題の上位に入るのが、ウラジーミル・プーチン大統領のロシアの扱いだ。

 ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスから去る瞬間は、ルールに基づく国際秩序を幾度となく破ったプーチン氏の違反行為の代償を引き上げるためにクレムリンを締め付ける明らかな契機になる。

 また別の対応は、米ロ関係を描き直す好機がないかどうか試すことだ。

 この2つのアプローチは見た目ほどには遠くかけ離れていない。

下り坂が続くプーチン体制

 今はプーチン氏にとって、最良の時期ではない。同氏は数カ月前、大統領を生涯務められるようにする憲法改正を祝っていた。それ以来ずっと、下り坂だ。

 原油安で弱体化したロシア経済は、新型コロナウイルスのパンデミックに打ちのめされている。通貨ルーブルは急落し、生活水準も同じ方向へ向かっている。

 大統領は大半の時間をモスクワ郊外のダーチャ(別荘)に閉じこもって過ごしている。

 隣国ベラルーシでは、民主化を求めるデモ隊が街頭に繰り出している。

 神経剤ノビチョクでロシア野党指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏を毒殺しようとした未遂事件は、クレムリンが政治的な暗殺のスポンサーになっていることを世界に思い出させ、西側諸国による新たな制裁措置を招いた。