連載:少子化ニッポンに必要な本物の「性」の知識

サメには繁殖のための独特な仕組みが具わっている。詳しくは本文で

 メソポタミア神話に人間創造の神話がある。

 人間は神の血で粘土を練って創造された。そして、口から息を吹き込むと生きた人間となったが、それは両頭で手が4つ、脚が4つの非常に力強い生き物となったため、神も恐れを感じて人躰を2分してしまった。

 これが、人間男女の始まりで、それゆえに男と女は永久にその半分を互いに求め合うと神話は伝える。

 男が女を求め、女が男を求める・・・。

 こと性に関すること、または性生活は人生の重要な生活部分である。家族や子孫の存続、継承、繁栄につながる重大な問題というばかりでなく、性生活はいわば異性との営みを完遂し、満足するための体当たり的な真剣な努力そのものといえる。

 そして、それが完遂されるまでは、とにかく1対1の人間としての接近交渉が行われるわけで、これが失敗するということは大きな苦悩であり、心の痛手となる。

 そうしたものであるだけに本来は究めてプライベート(Private:私的)なものである。

 フランスの作家であり、文芸評論家、レミ・ド・グールモンは「人間というものは、詮じ詰めれば、消化器と生殖器から成り立っている」と結論づける。

 一般的に英語で雄性(男性)の生殖器のことを「Penis(ペニス)」、または、「Dick(ディック)」、「Peanut(ピーナッツ)」、「Sausage(ソーセージ)」、「Joystick(ジョイ・スティック)」などと称されるが、やや格調高い言い方で「Private Parts(プライベート・パーツ)」と呼ぶ言い回しがある。

 人体の各部位にプライバシーの優先順位をつけるとしたら性器がやはり第1位に輝くはずで、人間の身体の中で最も私的な部分といえる。