(英エコノミスト誌 2020年11月21日号)

米国を孤立させないことが世界にとって重要になっている

ジョー・バイデン次期大統領は、米国の同盟国と大々的な取引をまとめることを目指すべきだ。

 トランプ政権の功績は、中国の権威主義的な脅威を認識したところにある。この脅威にどう対処すべきかを解き明かすことが、バイデン新政権の課題になる。

 ドナルド・トランプ氏が本能的に取った行動は、米国が独力でこの戦いに臨むことだった。昔からの同盟国は手下であり、パートナーではなかった。

 バイデン氏は自らの対中国戦略を用意するにあたり、前任者とは異なる道を選ぶべきだ。米国は同様な考え方をする国々とグランドバーゲンをまとめ、力を合わせる必要がある。

 そのような新たな同盟関係の構築には大きな障害が立ちはだかるが、それを乗り越えればもっと大きなものが得られる。

米ソ冷戦との違い

 なぜか知りたければ、中国との冷戦と最初の冷戦との違いについて考えてみるといい。

 米国と旧ソビエト連邦は、もっぱらイデオロギーと核兵器で競い合う関係だった。一方、今日の冷戦の戦場は情報技術(IT)だ。

 半導体、データ、第5世代移動通信システム(5G)ネットワーク、インターネットの技術標準、人工知能(AI)、量子コンピューター技術といった具合だ。

 これらはすべて、米国と中国のどちらが軍事力で上回るかだけでなく、どちらがより活力ある経済を手に入れるかにも影響を及ぼす。

 科学技術研究の面での優位性をどちらかにもたらす可能性すらある。

 最初の冷戦では、切り離された鏡写しの世界が2つ作られた。今日の第2次冷戦の主役は互いにつながっている。

 これは中国がグローバル経済に――とりわけ2001年の世界貿易機関(WTO)加盟以降に――統合された結果でもある。

 だが、規模の大きさや範囲の広さが報われるネットワーク効果が数多くのハイテク企業によってもたらされているためでもある。