2013年12月、来日して安倍晋三首相と会談した副大統領時代のバイデン氏(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

「先ほど、バイデン次期大統領と初めて電話会談を行い、次期大統領および女性初となるハリス次期副大統領の選出に、祝意を伝えました。日米同盟の強化、インド太平洋地域の平和と安定に向けて協力していくことを楽しみにしている旨の発言がありました。バイデン大統領からは、日米安保条約5条の尖閣諸島への適用について、コミットメント(関与)する旨の表明がありました。

 できる限り早い時期に、一緒に会おうということでも一致しました。訪米については、今後しかるべきタイミングで調整することになります」

 菅義偉首相は、日本時間の11月12日朝、ジョー・バイデン次期大統領と電話会談を行ったと、記者団に自ら述べた。

「アジアでは一番先の電話会談」との自負

 外務省関係者が解説する。

「わずか13分の短い会談だったが、最大のポイントは、『できる限り早い時期に会う』ということ。来年1月20日にバイデン政権が始動し、1月末には日本で通常国会が始まるので、バイデン大統領の就任後、一日でも早く日米首脳会談を行いたい。

 電話会談に関しては、カナダ、イギリス、フランス、ドイツなどに次いでとなったが、アジアに関しては一番先だった」

「アジアに関しては一番先」――これが外務省のプライドというものである。菅首相との会談を終えたバイデン次期大統領は、続けて韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に電話をかけたからだ。つまり、アジアの友好国との電話会談の順番は、日本が一番で韓国が二番だったということだ。