(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年11月3日付)

新型コロナウイルス感染症のワクチンが開発されても、世界経済にとってはすぐに効く特効薬となる可能性は低い

 新型コロナウイルス感染症「COVID-19」は即座に感じられる強烈な打撃をもたらした。

 では、長期的にはどのような影響をもたらすのか。それについて語ることは、即座に及んだ打撃を読み解くことよりもはるかに難しい。

10カ月で分かったこと

 COVID-19出現から10カ月経った今、分かっていることは何だろうか。

 まず、世界はパンデミックに対処する体制を整えていなかったことが分かっている。これまでに命を落とした人は世界全体で約110万人に達しており、そのほとんどが高齢者だ。

 また、この病気をなかなか抑え込めずにいる国がある一方で、はるかにしっかり抑え込んでいる国もある。

 COVID-19が深刻な世界不況をもたらしたが、各国がその打撃を等しく受けたわけではないことも分かっている。

 この景気後退では、若者、スキルをあまり持たない人、ワーキング・マザー、立場の弱いマイノリティー(少数派)が特に深刻な経済的打撃を被っている。

 一部で自主的に、そして一部では強制的に導入されている「ソーシャル・ディスタンシング」が、他人に直に接することで成り立つ活動すべてに打撃を与えている一方で、「ステイ・ホーム」を支援する活動に恩恵をもたらしていることも分かっている。

 これが人の移動を激減させた。

 また、非常に多くの企業が多額の債務を背負った状態で活動を再開することや、少なからぬ企業が活動再開を果たせぬまま倒れていくことも分かっている。